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湖国滋賀県の豊かな日常を紹介するべく、雑誌をつくっています!
by oumi_cococu
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時代の空気

編集顧問から2010年最初のひとり言です☆



静かな大晦日。

ひとり気ままに事務所の片付けをしました。


古い雑誌や単行本を整理して、芹橋に移送できるものを選びだしました。

懐かしい雑誌を整理し始めると、知らないうちに中身をパラパラと読みふけってしまいます。


1990〜1994年。


イタリアから帰国し、仕事に復帰して、一番充実していたはずの数年間。
寝る時間も惜しいくらい仕事にのめり込んでいた時期でした。

なのに、なぜか文学に溺れていました。

本を読む時間なんてあったかなあ?

寝る時間よりも好きな事を優先できる体力があったのかも?

人は辛い記憶は覚えてない、いや忘れてしまうものです。

記憶って曖昧なものです。

毎月、文芸雑誌「すばる」を定期購読していました。

仕事場の机の上に常に置いていた気がします。

今はまるでオブジェのように事務所に積み上がっています。


す す す す す す す す す す す す す す す す す す す す す す す
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記憶の糸を引き寄せるとこんな至極の特集がぞくぞくと。

’93年3月号 「村上春樹×ジェイ・マキナニー対談」
’93年6月号 「ゲンス・ブール・自らの死を語る」
’94年2月号 「ギュンター・グラス&ミラン・クンデラ」
’94年4月号 「J・P・トウーサン」
’94年7月号 「HIV特集ーエルヴェ・ギベールの短編」
’94年8月号 「ラフカディオ・ハーンの成熟」
’94年9月号 「藤原智美-R、ミラン・クンデラ - カフカ論」

そして

1994年は一年間「生き抜くためのアート」というインディペンデント・キュレーターの連載が抜群に面白かった。

その傍らの本棚になぜか固まったジャンルの島があった。

フランス系作品の数々。


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ジャン・フィリップ・トウーサンの不思議な空気感は、今流行の「かもめ食堂」「めがね」そして「南極料理人」の空気の元祖かもしれない。

エルヴェ・ギベールからは映画評論、写真家、ジャーナリトという視点から自身をテーマにした正真正銘の事実に基づいたフィクション、つまりオートフィクションというものの存在に驚かされた。

ミラン・クンデラはなんたって「存在の耐えられない軽さ」だろう。フィリップ・カウフマンによってダニエル・デイ・ルイス主演で映画化された。キネマ芹橋所蔵の「ライトスタッフ」の次に制作された作品。

イタリアの作家、アンドレーア・デ・カルロやリディア・ラヴェーラらの作品も続々と翻訳され始めた時期でした。


映画、アート、文学、デザイン。

時代が創り出すテイストに流されていく。

さも、その時代が発する空気が社会共有のテーマのように位置づけられる。

それは、それで、シアワセなんですが。

cococu のテーマ、テイストは知らず知らずのうちに共有になっている。

2010年の空気を少し観察してみよう。そしてみんなで読んでみよう。

時代が発するテーマをしっかり受け止めるために。




2010年の初詣は☆

小石川七福神巡り。


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真珠院(布袋尊)から福聚院(大黒天)、伝通院に立ち寄って、澤蔵司稲荷、蒟蒻閻魔様、源覚寺(毘沙門天)。自宅から半径1キロ圏内に七福神が揃っている幸せ。

神様たちを連れて少しの間、逃避行してきます。

きっと帰ってきます。

新しい空気を背負って帰ってきます。



編集顧問(ちょっと落ち込み気味)☆
Top▲ by oumi_cococu | 2010-01-01 19:00 | バトン
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